優勝候補筆頭のマイカルベアーズと、初戦のアサヒ飲料戦で善戦した井内盛栄堂ブラックイーグルスが対戦した。
立ち上がりはマイカルペースだった。自陣28ヤードからの攻撃で、本来はDBの市川がRBで出場。いきなり5ヤードのランを見せる。その後はエースRB波武名やQB夏目のランなど5プレーで相手陣内に攻め込んだ。
ここからも徹底して波武名のランを続けて、6分37秒を費やしTDを奪った。
続いては、マイカルの今季からのお家芸、K山口のFGショーだ。
第2Q、相手の反則から得た敵陣42ヤードからの攻撃で、新人RB杉山が16ヤードのビッグラン。ゴール前25ヤードからは、夏目がWR石岡への5ヤードのパスを決め、FG圏内まで進み、最後は山口が43ヤードのキックを決め、10−0とリードを広げた。
また前半終了間際には、同じく敵陣からの攻撃で、夏目がWR竹田と東野へのパスを決め、ゴール前9ヤードまで攻め込み、最後は山口がFGを難なく決め13−0。リードを広げた。
前半良いところが全然無かった井内盛栄堂だが、後半は立ち上がり思わぬチャンスを得た。
キックオフ直後の攻撃ではハーフラインまで戻すのが精一杯、攻撃権を放棄するためP丹野がパントする。このボールをキャッチし、リターンしようとしたマイカルの中村が、激しいタックルを受けファンブルしてしまい、井内盛栄堂がリカバー。ゴール前17ヤードからの攻撃権が転がり込んだ。
このチャンスにRB山本(直)がドロープレーで密集をくぐり抜けTD。13−6と追い上げた。
その後は両チームとも決め手に欠き、手詰まり状態。特にマイカルは反則が多く、なかなか得点することができない。
そんな試合がようやく動いたのは第4Qだった。後半から起用されていたQB辻が、自陣22ヤードからの攻撃を見事にボールコントロール。辻と竹田の新ホットラインのパスが決まったり、波武名が中央や、オフタックル、オープンのランの切れを取り戻し、敵陣9ヤードまで攻め込んだ。
ここからは「社会人の厚い壁にぶち当たって悩んでいる」(久保田監督)という新人RB杉山の登場だ。学生時代からの下半身の安定した走りで相手タックルをはねのけTD。20−6としてほぼ試合を決定づけた。
試合後の久保田監督は「反則やファンブルなど、うちらしさが随所にみられましたね。ブラックさんの守備に穴がなかったので、今日は試合の中でプランを組み立てました。辻は練習ではすごく調子がよかったんですが、試合では今一つでした。夏目は良かったと思いますよ」と2人のQBを評価する。
また、ようやく本来の走りを取り戻しつつある波武名は「納得できる走りができていないんです。こんなときに、こんな状態ではだめなんですが、物足りなさを感じています。ただ、次は松下電工戦ですから、練習でも気合いを入れて、ムード良く試合に臨みたいですね」と話す。
井内盛栄堂の義政監督は「チーム状態はいいんですが、早く勝ち星が欲しいです」と報われない善戦に少々疲れ気味だ。
|