昨秋のWEST覇者、アサヒ飲料チャレンジャーズと、かつてはそのアサヒ飲料にとってクラブチーム運営の目標でもあった湖北ファイニーズが対戦した。
どのような展開になるか、全く予想のつかない中、始まったこのゲーム。しかし、先制点は意外な形でアサヒ飲料に転がり込んだ。
キックオフ直後の湖北の第1シリーズで、攻撃権放棄のためにP原が蹴ったボールをラッシュしていたアサヒ飲料の守備選手がブロック。そして転がったボールを同じくラッシュしていた鬼頭が拾い上げ33ヤード走りTD。7−0とし、この試合に弾みをつけるかと思わせた。
しかしその後は両チームとも膠着状態が続く。またファンブルや反則など、相手のミスにもつけ込むことができず、ファーストダウンすら奪えない。
そんな中、湖北はスタートQBのベテラン浅井に代えて、新人の荒木を起用したことがずばり的中。自陣40ヤードからの攻撃では、まずWR吉村にパスを決め敵陣へ。
ここからRB磯田や山崎のランなどでゴール前16ヤード。ここで再び吉村へパスが決まり、ゴール前6ヤードからのプレーコールが注目された。
荒木はここから右へロールしパスターゲットを探す。意表を突かれたアサヒ飲料守備が、荒木のランに対して手薄になったにも関わらず、あえてWRへのパスを試みたが失敗、アサヒ飲料の主将・DBの内田のインターセプトとなる。そしてそのまま前半を終えた。
後半は、湖北のキックオフで試合開始。しかし、ここでリターナーの中村がリターンする際、強烈なタックルを浴びボールをファンブル。
思わぬところでチャンスを得た湖北は、敵陣23ヤードからの攻撃をRB井場が力強く走り抜けTD。7−7の同点とした。
なんとかこの状態を抜け出したいアサヒ飲料は、自陣24ヤードからの攻撃でQB小川が自慢の脚力を見せ一気に敵陣へ。ここからは攻めあぐねたものの、K橋本が47ヤードのFGに成功してようやくリードする事が出来た。
湖北も負けてはいない。自陣からの攻撃で、井場が久しぶりに爆発的な走りを見せ、一気に敵陣11ヤードまで迫った。しかし、ここからまたもや決め手に欠き、RB山崎のエンドゾーンへの伸び上がりも空しく得点することができなかった。
第4Qには、アサヒ飲料が46ヤードのFGを決め13−7に。結局アサヒ飲料がかろうじて勝利を手中にした。
獲得ヤードは、アサヒ飲料が164ヤードに対し、湖北は253ヤード。ファーストダウンの回数も5回多いなど、湖北の活躍ばかりが目立った試合だったが、結果はアサヒ飲料の勝利となった。
藤田ヘッドコーチは「ファイニーズは強いチームだし、選手が良いファイトをしてくれました。本当の意味での自信はついていないと思うけど、湖北戦を戦い抜けたという自信は選手一人一人が持ってくれると思いますよ」とサバサバした表情だ。
湖北の村田ヘッドコーチは「応援してくれている人たちのためにも早く白星が欲しいですね。あと3試合頑張ります」と次以降の試合での出直しを誓っていた。
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