【2nd Ｓｔａｇｅ】アサヒ飲料　vs　オービック　試合レポート

Ｘリーグ2012の２ndステージも大詰め。

ここまで全勝で既にファイナルステージ進出を決めているセントラル１位のオービックシーガルズと、この試合に勝ってワイルドカード進出に望みをかけるウエスト２位のアサヒ飲料チャレンジャーズが、大阪の長居陸上競技場で対戦した.

立ち上がりのオービック。様子を見ながらそつのない攻めを見せる。

自陣19ヤードからのオフェンス。先発ＱＢ#6菅原がＴＥ#89森、ＷＲ#83清水へ３回連続でパスを決めダウン更新。続いてはＱＢ菅原、ＲＢ#20古谷、#32原の連続ランで敵陣へと侵入すると、ＷＲ#18木下へのミドルパス、ＲＢ古谷のロングゲインで一気にゴール前10ヤードとする。

ここからの連続ラン攻撃にはアサヒ飲料ディフェンス陣も踏ん張るが、Ｋ#1金親がＦＧをきっちり決めて、オービックが先制する。

対するアサヒ飲料。２Ｑに入った直後にＱＢ菅原の投げたパスを、ＤＢ#37近藤がインターセプト、攻撃権を奪う。

しかしＱＢ#14原口からＷＲ#18中島へのパスでダウン更新するものの、そこからが続かない。

続くオービック、自陣47ヤードからのオフェンス。ＲＢ古谷のラン、ＷＲ#7池井へのパスなどでゴール前６ヤードに迫ると、ここでＱＢ菅原からリバースプレーでボールを受け取ったＷＲ木下が、エンドゾーンに走り込んだＷＲ清水へパスを投じるスペシャルプレー。これが鮮やかに決まってＴＤ。10－０とオービックがリードを広げる。

アサヒ飲料は２Ｑ終盤にもＤＢ#27山本がパスインターセプトを奪うが、続くオフェンスがなかなか進まない。

逆にアサヒ飲料は、オービックオフェンスが４thダウンパントの際に、ラフィンザキッカーの反則を犯してしまいダウン更新を与えてしまう。さらにオービックがＦＧトライを失敗した際にも、オフサイドの反則でダウン更新を献上。

結局このシリーズでオービックは、２度目のＦＧトライに成功。アサヒ飲料は自らのミスでリードを広げてしまい、そのまま前半が終了する。

後半最初のアサヒ飲料オフェンス。

ＲＢ#32中西のランでダウンを更新。続くプレーでＱＢ原口からボールを受け取ったＲＢ#22佃がＷＲ中島へリバース。さらにここからＷＲ中島がロングパスを投じるが、判断よく守っていたオービックＤＢ#34丸山がこれをインターセプト。オービックが攻撃権を奪う。

前半の攻撃で、ＱＢ菅原のパスコースがアサヒ飲料ディフェンスに読まれていることを察したオービックは、後半始めからＱＢ#15龍村を起用する。

チームの期待に応えＱＢ龍村は、最初のプレーでＷＲ木下への41ヤードのロングパスを成功させる。一気に敵陣へと攻め込んだオービックは、Ｋ#1金親がＦＧを成功させ、16－０とさらにリードを広げる。

アサヒ飲料もＱＢ#15椙田が交替出場。ＷＲ#11呉田、#4太田へロングパスを連続で決め、敵陣17ヤードへと進攻すると、ＱＢ原口が得意のキープでゴール前４ヤード。

ここからＲＢ中西が右オープンを走ってＴＤ。アサヒ飲料が反撃を開始。

このまま勢いに乗りたいアサヒ飲料はオンサイドキックを敢行。しかしこれは失敗に終わる。

この日好調のＱＢ龍村。敵陣38ヤードからのオフェンスで、ＴＥ森、ＷＲ#85萩山へのパスを成功させゴール前13ヤード。さらにここからのパスを再び受けたＷＲ萩山が、タックルに来た相手ディフェンスを振りほどいてＴＤ。２ポイントを狙ったＴＦＰは失敗するが、22－６とする。

さらに４Ｑのオービック。自陣36ヤードからＱＢ龍村がＷＲ萩山に64ヤードのＴＤパスを決め、29－６。試合の趨勢に決着をつける。

アサヒ飲料はＱＢ椙田からＷＲ呉田への50ヤードパス成功を足がかりに、ＴＤ１本を返すが時すでに遅し。結局、29-12でオービックがシーズン全勝を維持する格好となった。

「アウェイと云うことで気持ちがちぐはぐなのと、気温が下がってきたこともあって、プレー全体のツメが甘く、精度の低い試合になってしまった」と、勝利にも厳しい評価のオービック・大橋ヘッドコーチ。この日、要所で良い走りを見せたＲＢ#32原に関しては「古谷と全く違ったタイプのランナー。互いに良いコントラストで使うことが出来るので収穫だった」と、ファイナルステージに向けて良い材料となったようだ。

「得点以前に自分たちのミスで試合を潰してしまった。フットボールで勝つためにどうあるべきか、チームそのものをもっと引き締めていかなければ」と、アサヒ飲料の矢部ヘッドコーチ。これで2012年の挑戦は終わった。「それだけが負けたことの最大のメリット。来季に向けて少しでも早いスタートを切っていきたい」と、再出発を誓った。