【SUPER9】アサヒ飲料-IBM 試合レポート
’15.11.16
互いのプライドを懸けた一戦はIBMが突き放す
ともに1stステージで1敗、2ndステージでも1敗を喫し、ここまでのトータル4勝2敗でFINALステージ進出の望みは絶たれたIBMビッグブルーとアサヒ飲料チャレンジャーズ。
「きっちりと勝ってシーズンを終える」(IBM・山田ヘッドコーチ)。「勝つためのシナリオを考えて今日を迎えた」(アサヒ飲料・松本ヘッドコーチ)という両雄が、まだ朝からの雨模様が残る大阪長居のキンチョウスタジアムで激突した。
IBMの最初の攻撃をダウン更新させずに抑えたアサヒ飲料。自陣19ヤードからの攻撃。QB#2加納のランでダウンを更新したあと、RB#24白神がいきなり30ヤードを走って敵陣へと侵入。だがここからが進まずパントに終わる。
続くIBM、自陣13ヤードからの攻撃。QB#3クラフトからWR#17中島でダウンを更新すると、続いて自陣36ヤードからTE#40スタントンへ64ヤードロングパスが決まってTD。得点力の高さを見せつける。
アサヒ飲料も負けていない。その次の自陣35ヤードからの攻撃。第1プレーでボールを受け取ったRB白神がなんとそのまま65ヤードを独走して1発TD。すぐに取り返した。
次のIBMの攻撃。自陣46ヤードからRB#10末吉の31ヤードランで敵陣へと入ると、QBクラフトからWR#80瀧への23ヤードTDパス。僅か2プレーで再びTDを奪う。
食いさがるアサヒ飲料。自陣47ヤードからRB#21稲毛、白神のランで敵陣24ヤードへと前進すると、ここからも好調のRB白神が右オープンを駆け抜けてTD。14-14と再び同点に追いつく。
続くIBMの攻撃をパントに抑え、追撃に入るアサヒ飲料の攻撃で、ボールを受け取ったRB稲毛に、IBMのDL#34ブルックスがハードヒット。ファンブルを誘ってIBMが敵陣21ヤードからの攻撃権を得る。
このチャンスにIBMは、QBクラフトからTEスタントン、WR#18上廣への連続パスでゴール前7ヤード。ここからWR中島にTDパスが通って21-14と、IBMが再びリードする。
さらにチャンスを作るIBMのディフェンス陣。自陣40ヤード付近で蹴ったアサヒ飲料のパントをディフェンスの壁がブロック。敵陣36ヤードからの攻撃権を奪い取る。
QBクラフトからWR瀧、中島へのパスなどでゴール前4ヤードとすると、最後はQBクラフトがパスの構えから中央を走り抜けTD。28-14として前半を折り返す。
後半に入ると、厳しいマークでここまで威力を発揮したRB白神のランが阻まれる。
IBMは後半最初の攻撃で、RB#36鈴木へのパスで敵陣に侵入すると、QBクラフトからTEスタントン、スタントンからWR中島へのロングパスというスペシャルプレーを成功させ、ゴール前12ヤード。ここでQBクラフトがWR瀧へのTDパスを決めて追加点。35-14と突き放しにかかる。
アサヒ飲料は次の一手、QB#14原口を投入。QB原口はベンチの期待に応え、得意のキーププレーで連続ダウン更新。ゴール前7ヤードに迫る。ここでQBを加納にスイッチ。パスにランにと、TD狙いのプレーを4回繰り出すが得点には至らない。
次のIBMの攻撃をエンドゾーン前でのパントに抑え、アサヒ飲料のチャンスがまだ続く。
今度はQB#10林が自らのキープと、WR#1呉田へのパスでゴール前13ヤードへと陣地を進める。ゴール前で再びQB加納にスイッチ。今度はRB白神のラン中心にTDを狙いに行くが、エンドゾーンに届かない。
この後も、アサヒ飲料はディフェンス陣が踏ん張って追撃の機会を伺う。
4Qに入ってアサヒ飲料、自陣18ヤードからの攻撃。QB加納からWR呉田へのパスでダウン更新。WR森への35ヤードパス成功で敵陣36ヤードへと前進。ここからQB原口が2回のキーププレーを決めて、一気にゴール前6ヤードへと迫る。ここでQB原口のラン、最後はRB#40牧野が押しこんで、ようやくアサヒ飲料がTDを奪う。
しかしこのTFPで、アサヒ飲料の蹴ったボールをIBMディフェンス陣がブロック。こぼれたボールを#25小林が97ヤード返して、TFPの2点はIBMが奪い37-20。
結局このままゲームオーバーを迎え、IBMが粘るアサヒ飲料を振り切って、2ndステージ2勝目を挙げて終了した。
「(RB白神には)やられるとは思っていたけどよくアジャストしてくれた。今日はディフェンス陣がよく頑張ってくれた」とIBMの山田ヘッドコーチ。
「パス一辺倒になると苦しいので、今日はランを出していこうとしたが、ここはもっと次のレベルを目指さないと」と、振り返る。来季からはいよいよ新しい追い体制でのリーグ戦が始まる。「エキサイティングなゲームが増えてくる中で、しっかりとチームを作っていきたい」と、既に新しいシーズンは始まっている。
勝機は見え隠れしたがあと一歩が届かなかったアサヒ飲料。松本ヘッドコーチは「全部が予定通りと云うわけには行かないが、こういう風にしたいというゲームプランは当たっていた。しかし最後は力の差と云うより完成度の差が出た」と、悔しそうに話す。
シーズン直前に急遽チームに合流したこの1年を振り返って、「簡単なものではない。自分の予想以上に現場のコーチというのは大変」としながらも、充実した日々に笑みがこぼれた。