シルバースター VS レナウン　見どころ

アサヒビールシルバースターVS レナウンローバーズ

補強充実の両チーム。スタートＱＢに注目！

９月７日（土）大井第２球技場　１５：００

　７日の大井第２球技場での第２試合はアサヒビールシルバースターとレナウンローバーズの対戦。
　両者は互いに社会人フットボールチームとして長い歴史を持ちながら、ここ数年は対照的な結果を残してきた。

　シルバースターは阿部監督の指導の下、９６年のＸリーグ創設から連続してＦＩＮＡＬ６に出場。９９年には東京スーパーボウルで鹿島に劇的な逆転勝を収め、ライスボウルでも関学大を下し、３度目の日本一に輝いた。
　一方、レナウンは選手の高齢化などから往年の強さは影を潜め、公式戦では１年に１勝しかあげられない不本意なシーズンが続いている。

　しかしながら、今季のレナウンには大きな変革のうねりが起こった。
　Ｘ２リーグの強豪であるゴールデンゴーズと合併することにより３０名の新人が加わり、若返りと選手層の強化という２つの課題を一気に解決することができたからだ。

　春はＱＢ八木がアリーナフットボール挑戦のために渡米。人材不足を解決するためにコーチの鈴木を２年ぶりに現役登録してやりくりしたが、その八木も帰国してチーム合流。アメリカで身につけたＱＢとしての技術を発揮してくれれば面白いことになりそうだ。
　またＮＣＡＡ２部のフォートルイス大でＱＢを務めたロバート・スローンの新加入にも注目したい。新人という年齢（３３歳）ではないが強肩で俊足と前評判も高く、シルバースター相手にどれだけ力を発揮できるかが楽しみだ。

　昨シーズン１試合平均４２点を許したディフェンスもゴールデンゴーズからＤＴ早川(上智大)、Ｓ波多野等が加わったことで戦力アップした。

　開幕戦を迎えるにあたって、シルバースターの課題はＱＢを東野、金岡のどちらに絞るかということだ。昨年は２枚看板を併用していたが、オフェンスのリズムが寸断されることがあったのも事実。

　今春、ＱＢ金岡はアリーナフットボールに参戦。出場の機会こそ恵まれなかったが持ち前のクイックリリースとフットボールへの理解度は、現地ニューヨークでも高い評価を受けた。ハードなプロの現場で身体を絞りこんだことにより、得意のスクランブル能力にもさらに磨きがかかったようだ。
　ＱＢ東野は完全復帰して２年目のシーズン。春のパールボウルトーナメントではスターターとして登場。レシーバーとのタイミングにズレはあったものの、立命館時代のフォームに戻りつつあり期待できる。

　ＲＢ陣はエースランナーの中村友に加えて、ＲＢ花房（アサヒ飲料から移籍）、ＲＢ波武名（クラブベアーズから移籍）と関西学生、ＸリーグＷＥＳＴで活躍してきた２人が加入してレベルが大幅にアップした。
　昨シーズンは振るわなかったグラウンドアタックだが、今年は逆に大きな武器となりそうだ。

　ＤＬは主将・佐々木を筆頭に藤井、三好、荒川のベテランが健在。
　中山が引退したＬＢ陣だが塚田、今野らが順調に成長を見せており問題ないだろう。さらに新人として木村俊作(日体大)が加わった。

　ゲーム展開としてシルバースター優位は動かない。
　しかしシルバースターは、シーズン序盤で“もたつき”を見せることでもよく知られている。その隙にレナウンが試合のモメンタムを握れれば面白い展開に持ち込めるはず。好ゲームを期待したい。