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解説記事

富士通フロンティアーズ VS オンワードスカイラークス
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
富士通フロンティアーズ 0 7 13 3 23
オンワードスカイラークス 7 7 7 8 29

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オンワードスカイラークスが初のディビジョン優勝

 リーグ最終戦となったEAST優勝決定戦は、すでにFINAL6出場を決めているオンワードスカイラークス(ON−SKY)が激戦の末、富士通フロンティア―ズを破り、2001年に新チームとなってから、初めてのディビジョン優勝を飾った。
 この結果、あと一つ残ったFINAL6の出場権は、アサヒビールシルバースターが獲得した。

 またON−SKYのQB冨澤は、この試合でパス167ヤードを獲得し、今シーズン のパス総獲得を1216ヤードとし、歴代個人記録を塗り替えた。
 従来の記録は、QB冨澤の大学、チームの先輩である須永(現ON−SKYオフェンスコーディネーター)が96年に達成した1148ヤード。

 立ち上がり、ON−SKYは速攻で先取点を奪う。
 RB加畑のランプレーと、QB冨澤からWR神、井本へのパスでゲインを重ね、ゴール前1ヤードまで前進。最後はRB加畑が飛び込みTD。
 得点までに8プレー、2分40秒という電光石火のオフェンスを見せる。

 続く第2Qには、RB加畑のランプレーを中心に、敵陣1ヤードまで持ち込む。ここで再びRB加畑が、相手ディフェンスラインを飛び越える程の大ジャンプでエンドゾーンに飛び込みTD。
 14−0と、序盤はON−SKYの一方的なペースで試合が進む。

 防戦一方の富士通だったが、モメンタムを引き寄せたのは、負傷退場したQB中澤に代わって出場したQB木之下。
 QB中澤は、TE大木、RB松崎へのパス、そして渾身のキーププレーで、ゴール前30ヤード付近まで攻め込むが、ここで負傷退場。
 あとを受けたQB木之下が4thダウンギャンブルから、WRブレナンへのパスを投じる。
 WRブレナンは、ON−SKYディフェンスと競り合いながらパスをキャッチすると、左に展開してそのままエンドゾーンに飛び込みTD。7−14と追い上げる。

 第3Qに入り、富士通はRB森本のランプレーを中心に、WRブレナンへのパスなどで、ゲインを重ねる。
 そして4分24秒、QB木之下からRB森本への9ヤードTDパスが決まり同点に持ち込む。

 しかしON−SKYは、WR浦へのロングパスで一気に富士通陣内に入ると、TE安部への29ヤードTDパスが通り、21−14と再び富士通を引き離す。

 これに負けじと富士通も、WR小島への78ヤードロングパスで、敵陣2ヤードまで一気に攻め込み、RB森本がTD。
 しかし、TFPのキックが大きく左に逸れてしまい、20−21と1点差。

 勝負は第4Qに持ち込まれた。
 富士通は2分4秒、K長谷が33ヤードのFGを決めて23−21と逆転。試合の主導権を手に入れる。
 ここまで、後半に入ってからの富士通オフェンスは、全シリーズを得点に結びつけるという凄まじい猛攻を見せる。

 逆転されたものの、ON−SKYオフェンス陣は、QB冨澤を中心に落ち着いてプレーする。
 WR井本、RB鎌田、TE寺島へのパスを成功させて、敵陣3ヤード。最後は左サイドを走るWR井本に、QB冨澤が冷静にTDパスを通し、再逆転。
 さらには2ポイントコンバージョンのパスを、WR浦に通し29−23。6点差をつける。

 勝負を諦めない富士通。QB木之下が、RB千葉、WR小島、高橋にパスを通して、敵陣26ヤード。さらにON−SKYの反則もあって敵陣20ヤードまで攻め込む。
 3回のオフェンスで、ダウン更新まであと数インチ。ここで4thダウンギャンブルを敢行するが、頼みのRB森本が激しいラッシュにあって、痛恨のファンブル。
 これをON−SKYがリカバー。ベンチ、応援席が大歓声に揺れる。

 攻撃権がON−SKYに移る。試合残り時間は1分2秒。
 富士通はディフェンス陣の早い仕掛けと、3回のタイムアウトで、時間を上手に残しながら、ON−SKYオフェンスをパントに追いやる。
 これで最後に数十秒の、富士通オフェンスシリーズが残るはずであった。

 しかし、このパントをキャッチするときに富士通のリターナー同士が接触して、なんとまさかのファンブルロスト。
 再び攻撃権を獲得したON−SKYが時間を使い切り、激戦に終止符を打った。

 興奮さめやらないON−SKYの野田監督は「最終戦だからベストゲームやろう、と選手にいってきた。2連敗している富士通に勝ててよかった。大きな自信、大きな糧になった」と、息を弾ませながら満面の笑み。
 歴代パッシング記録を更新したQB冨澤は「春から富士通に負けない身体を作るため、これまで以上に肉体強化に取り組んだ。試合に勝てて満足。(記録更新は)オフェンスラインとバックス、レシーバー陣が一体化した結果です」とチーム一丸を強調した。