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ライスボウル

解説記事

立命館大学パンサーズ VS オンワード スカイラークス
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
立命館大学パンサーズ 7 14 7 0 28
オンワード スカイラークス 3 6 0 7 16

無敵パンサーズ!立命館大学が2連覇達成!
 日本一を決めるこの一戦、学生代表の立命館大学パンサーズ(関西学生リーグ)が終始安定した力を発揮し、社会人代表のオンワードスカイラークス(XリーグEAST/以下ON−SKY)を下した。
 立命大は昨年に続くライスボウル優勝で日本一2連覇を達成。2002年の関学大以来3年連続で、学生代表チームの勝利となった。
 試合開始早々に先手をとったのはON−SKY。OLが安定したプロテクションを見せると、QB冨澤がパスを連続で成功させ、敵陣18ヤードまで迫る。
 TDこそ奪えなかったものの、FGで3点を先制すると、続く立命大のオフェンスに対しては、DL矢部、早崎、才丸らが強力なラッシュを見せ、ダウン更新を許さない。

 このままON−SKYペースで試合は進むのかと思われたが、ここからスピード、クイックネスなど個人の身体能力で優る立命大が地力を見せる。
 スピード溢れるラッシュ、寄りの早いパスカバーを見せ、強力なON−SKYオフェンスをあっさりパントに追い込むと、PR古川が敵陣46ヤードまでのリターンを見せる。

 続く立命大のオフェンスでは、ON−SKYのDB和知がパスをインターセプトしたかに思われたが、自軍の選手の反則で取り消しとなると、続く3rdダウンのプレーで、立命大QB高田からロングパスを投げられたWR河瀬にON−SKYのDBミッチェルが、痛恨のパスインターフェア。初のダウン更新を許してしまう。

 ここでモメンタムが立命大に傾いた。QB高田が自らの快足ランプレーを交えたテンポのいいオフェンスで、ゴール前へと攻め込む。
 ゴール前16ヤード、2ndダウン13。QB高田自身が、11月頃にミシガン大のゲームビデオを見て考えたというスペシャルプレー「アイアンマウス(鉄男ネズミ)」。
 ダブルカウンターフェイクでボールを隠し持ったQBがボールキャリーになるため、読まれた場合の危険度が高く、ライスボウルまで封印していたというスペシャルプレーがここで登場。

 完全に“虚”をつかれた格好のON−SKYディフェンス陣の間を走り抜け、QB高田がTDラン。このプレーで逆転に成功するとともに、ON−SKYディフェンス陣に混乱を与え、試合のモメンタムを確実に捉えた。

 こうなると流れは、圧倒的に立命大へ。DB福島がインターセプトを奪うと、続くオフェンスでは、QB高田から、関西学生リーグでも数々の強豪校を沈めてきたホットライン、WR冷水への59ヤードロングボムが炸裂。14−3とON−SKYを一気に突き放す。
 なんとか流れを変えたいON−SKYは、切り札のQB小島にスイッチ。
 チームの期待に応えQB小島は、自らのキープなどでダウンを更新すると、WR渡部へ44ヤードのTDパスを成功させ、点差を詰める。

 一気にモメンタムを取り戻したいON−SKYだったが、続く立命大のオフェンスで、再びDBミッチェルが3rdダウンのパスプレーで、トリッキーな動きを見せるWR木下に対し、ホールディングの反則。
 ダウン更新を与えてしまう。

 その後は立命大は、RB岸野、佃らのランニング能力を活かしたプレー、QB高田とWR木下のフリーフリッカーパスなどで、ON−SKYディフェンスを翻弄。得点に至らないドライブでも、完全にボールをコントロールする。

 さらに、DB長田のインターセプトで敵陣29ヤードからのオフェンスを得ると、前半残り5秒。QB高田がスクランブルでTDを奪い、21−9とさらに突き放す。

 後半に入っても、試合は終始立命大ペース。
 何とか意地を見せ、後半最初は追加点を許さなかったON−SKYディフェンスだが、味方オフェンスがゴール前4thギャンブルを失敗した直後に一瞬の隙をつかれて、RB古川に72ヤード独走TDを奪われる。

 その後もON−SKYオフェンスは、敵陣まで攻め込むも立命ディフェンス陣のラッシュとパスカバーに、QB冨澤とWR陣のタイミングが微妙にかみ合わず、4thダウンギャンブルのパス失敗などで、得点が奪えない状況が続く。
 必死の反撃を試みるON−SKY。第4Qに立命大の2つのパーソナルファウルで得た、自陣48ヤードからのオフェンスでなんとかTDを奪うも、時すでに遅し。

 最後はON−SKYオフェンスを、立命大DB福島がこの2本目、チームでは4本目のインターセプトで断ち切り、万事休す。
 2003年の総決算となるライスボウルは、学生代表の立命大に凱歌があがった。

 試合後、立命大の古橋ヘッドコーチは「2連覇へのプレッシャーはあったが、選手がよく頑張ってくれた。今日は120%の出来」と語り、プレッシャーを受けながらも、インターセプト0回だったQB高田を「やっぱり高田はすごい」と、手放しで褒め称えた。
 また、個人の身体能力でON−SKYを上回った点に関して、立命大の湯浅ストレングスコーチは「学生は社会人よりも練習量が確保できるから」としながらも、「基本的なトレーニングをしっかり反復してやってきた成果」と語り、最後に「今年のチームは90点、来年はさらに上を目指します」と、力強い言葉を残した。

 一方、ライスボウル初出場初優勝の実現は叶わなかった野田監督は「Xリーグ代表として期待に応えられなくて申し訳ない。今日ははっきり言ってサイドラインの完敗。十分研究してきたつもりだったが、(TDを)4本取られたのは初めて。サイドライン勝負では負けないつもりだったが相手が上回った。選手はよくやってくれた」と、立命大コーチ陣の準備と作戦に脱帽した。
 しかし、「我々はもとより、Xリーグ全体がもっとレベルアップして、必ずチャンピオンを取り戻します」と、新しいシーズンに向けてリベンジを誓った。



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