2年連続でジャパンXボウル出場を果たしたアサヒビールシルバースター。しかしここまでの道のりは決して平坦ではなかった。 リーグ戦での成績をみると、5試合のトータル得点は63点と、FINAL6出場6チーム中最下位。トータル失点は47点と3番目。 1試合平均すれば得点12.6点、失点9.4点とその差が3.2点。いかに失点を最小限度に押さえて、それ以上の得点を奪って僅差で勝利をおさめて、勝ち上がってきたことがわかる。 このことを証明するように、今シーズンはアサヒビールの持ち味である『粘り強さ』と『勝負強さ』が十二分に発揮されたゲームが数多くみうけられた。 |
それを象徴する試合が、リーグ戦・第4節の学生援護会ROCBULL戦と、FINAL6準決勝で対戦したオンワードスカイラークス(ON−SKY)との試合だ。 学生援護会戦では、オフェンスが思うように展開できず、相手に3点を先行される苦しい状況が続いた。第4Qに、QB金岡からWR梶山への絶妙なパスが通り、絵に描いたような逆転勝ち。 まさに攻守ともに耐えに耐えて粘り抜いた結果の勝利だった。 また昨年のジャパンXボウルの再現となったON−SKYとのゲームでは、10点をリードされながら、ここ一番のディフェンスで、ON−SKYの強力オフェンスからファンブルやインターセプトを誘発させた。 この僅かなチャンスをオフェンスが確実に活かして10点を奪い、同点タイブレークの末、宿敵ON−SKYを破り、昨年の雪辱を果たした。 この2試合以外にも、シーズン開幕のオール三菱ライオンズ戦では、最終Qに逆転勝ち。またIBM BigBlueには、1TDにFGを重ねての薄氷の勝利、と「胃の痛くなる」(深堀ヘッドコーチ)ゲームが続いた。 |
『勝負強さ』をみせたのはオフェンス陣。 勝負を決定づける得点をあげてきたQB金岡とWR梶山のホットラインは勿論こと、パスアタックではTE橋詰、黛、WR稲垣らはここぞという時の確実性がある。 またランプレーでは大型RB吉岡、伊是名に加えて「調子が上がってきている」(深堀ヘッドコーチ)新人RB野本(立命館大)がパワーフルな走りをみせる。 また深堀ヘッドコーチが「今シーズンのQB東野は自分がやる、という意識がある」というとおり、試合の随所で光る存在としてオフェンスを指揮。ON−SKY戦では、QB金岡が負傷退場したあとを受けて「途切れることなく攻める」(深堀ヘッドコーチ)オフェンスを展開した。 そして『粘り強い』ディフェンスが勝利を呼び込んできた。 DL佐々木、児嶋、藤井、三好の強力ライン陣に、ON−SKY戦で同点に繋がるインターセプトを決めたハードタックラーのLB今野、玉井。リターナーとしても活躍するDB米田といった布陣が失点を最小限度に押さえ込んできた。 「今年はチーム全員が準備をしっかりやってきた。圧倒的な力はないが、選手が努力してくれている」と深堀ヘッドコーチは手応えをしっかり掴んでいる。 |
FINISH RESULT 2004 | ||||
9月11日 | ○ | 19−14 | vs オール三菱ライオンズ | |
9月25日 | ○ | 16− 3 | vs IBM BigBlue | |
10月10日 | ○ | 21− 7 | vs 五洋建設パイレーツ | |
10月23日 | ○ | 7− 3 | vs 学生援護会ROCBULL | |
11月 2日 | ● | 0−20 | vs 鹿島ディアーズ | |
FINAL6 | 11月21日 | ○ | 10− 7 | vs アサヒ飲料チャレンジャーズ |
FINAL6 | 12月 4日 | ○ | 10−10 TB:3−0 |
vsオンワードスカイラークス |
JXB | 12月18日 | ● | 6−15 | 松下電工インパルス |
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