アサヒ飲料チャレンジャーズ VS ファイニーズフットボールクラブ |
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ファイニーズのゲームプランにアサヒ飲料が辛勝。 |
昨秋WEST2位のアサヒ飲料チャレンジャーズと、今季からXリーグに復帰したファイニーズフットボールクラブの対戦。 「2年越しの挑戦」(ファイニーズ・濱田ヘッドコーチ)は、果たして予想に違わぬ好ゲームとなり、第3Qには19−14とファイニーズが主導権を握る展開。 しかし最後には、アサヒ飲料のエースQB桂が落ちついて2TDを奪い、アサヒ飲料が逆転。薄氷の勝利を掴んだ。 立ち上がりのアサヒ飲料。QB桂がRB杉山、辻野を使いながら順調にドライブ開始。しかし敵陣に入ったところで、今季は初戦から復活のRB中村(多)がファンブルロスト。ファイニーズに攻撃権を与えてしまう。 早々にチャンスを掴んだファイニーズだが、ダウン更新できずパント。しかもこのパントのボールをアサヒ飲料のPR横山が、相手カバーチームを巧みにかわしながら、80ヤードリターンのTD。7−0とアサヒ飲料が先制する。 ファイニーズも負けていない。続くキックオフのボールをファイニーズの“ミスタースラッシュ”木下が63ヤードのビッグリターン。そのままQBに入った木下が、これをK鎧塚の40ヤードFGにつなげて、3−7とファイニーズが反撃。 第2Qのアサヒ飲料。自陣1ヤードからのオフェンスをRB中村(多)の連続キャリーでダウン更新。QB桂からRB磯田へのパス。RB椎木の独走ランなどで相手陣内にはいると、最後はゴール前からRB杉山が飛び込んでTD。 12プレー99ヤード、4分50秒のロングドライブで得点し、14−3と突き放す。 反対に今度はファイニーズがロングドライブを披露。QB木下のオプションキープを軸に、RB長坂へのピッチなどで前進。QB荒木からWR寒川、藤畑へのパスなども交えて、じわじわと連続ダウン更新。 TDには至らなかったが、こちらは13プレー73ヤード、6分23秒のドライブをFGで締めくくり、6−14。ファイニーズが追いすがる。 後半開始早々、ファイニーズが仕掛けてくる。 KR若の好リターンで自陣45ヤードからのオフェンス。QB荒木からWR藤畑、そして“スラッシュ”木下へのダブルリバースが鮮やかに決まり、一気にロングゲイン。 ゴール前1ヤードとすると、ここからRB松陰が飛び込んでTD。2ポイントコンバージョンは失敗したが、12−14とする。 さらにQB桂のパスをDB若がいきなりインターセプト。敵陣31ヤードのチャンスから、QB木下のキープ、RB池下のパワープレーなどでゴール前6ヤード。 ここからもQB木下がオプションからのキープで持ち込んでTD。19−14とついにファイニーズが試合の主導権を握る。 「第3Qで狙っていた」。ここまでは濱田ヘッドコーチのゲームプラン通りの展開であったが、誤算は「考えていた以上にオフェンスを止められなかった」(濱田ヘッド)ことだろう。 アサヒ飲料は、KR辻野の41ヤードリターン皮切りに反撃開始。RB堀口の中央突破、QB桂からWR梅田、桃澤らへのパスで次々とダウンを更新すると、最後はQB桂からWR梅田へTDパスが決まり、20−19。 僅か1点差ながら再逆転に成功するとともに、ファイニーズにいったモメンタムを引きずり戻した。 なんとか立ち直ったアサヒ飲料のディフェンス陣が、ファイニーズのオプションを抑えはじめると、第4Q終了間際には、73ヤードのドライブをQB桂から再びWR梅田へのTDパスで締めくくり、27−19。 最後にようやく底力を見せたアサヒ飲料が、そのまま逃げ切った。 「ファイニーズ相手に予想できた展開、全てに悪かったわけではない。これが実力なのか、相手が強かったのか。こうなってしまったのは我々コーチ陣の責任」と、勝利にもこわばった表情のアサヒ飲料・高橋ヘッドコーチ。 「流れが来たときにきちんと点が取れていない。選手や自分たち(コーチ陣)に油断があったのは否めない」と、反省しきり。 「オフェンスは手応えがあったが、勝負どころでディフェンスが止められなかった。いずれにせよ最初の1本(パントリターンのTD)が痛かった」と、こちらはあと一歩の金星を逃したファイニーズの濱田ヘッドコーチ。 今季のWESTは、この“復活”ファイニーズが台風の目となりそうだ。 |