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JAPAN X BOWL
解説記事

オービックシーガルズ vs 松下電工インパルス
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
オービックシーガルズ 0 0 10 15 25
松下電工インパルス 0 16 0 0 16

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オービックが後半に怒濤の巻き返しで逆転!


 2005年度のXリーグチャンピオンを決める第19回日本社会人選手権・ジャパンXボウル(JXB)は、オービックシーガルズと松下電工インパルスが東京ドームで激突。
 ともに強力なディフェンスを持つ両チームの対戦は、前・後半で流れが大きく変わる展開となったが、後半に流れを掴んだオービックが25−16で松下電工を下し、3年ぶり4回目の優勝。史上初の春秋連覇(パールボウルとJXB)を成し遂げた。

 この結果、オービックは2006年1月3日のライスボウルで、甲子園ボウルの勝者、法政大学トマホークスと日本一をかけて対戦する。

DLジャクソン (C)Makoto SATO 試合開始早々から両チームの強力ディフェンスが互いに力を発揮し、パントの応酬となる。
  オービックはDLジャクソンのパントブロックのビッグプレーが飛び出すなど、良いフィールドポジションでオフェンスのチャンスを得るものの、FGの失敗など得点に結びつけることができない。

 試合が動いたのは2Qの開始直後。今シーズンはここまで目立った活躍をしていなかった松下電工のRB小林が立て続けに良い走りを見せ、敵陣15ヤードまで攻め込むと、K太田がきっちりFGを決めて3−0と松下電工が先制する。

 さらに、続く松下電工のキックオフで、オービックのリターナー里見がファンブルしたボールを、松下電工がリカバーし、敵陣26ヤードからという絶好のフィールドポジションを獲得。
  このチャンスにベテランQB高橋(公)からWR塚崎へTDパスがヒット。TFPのキックは失敗したものの、FG成功からわずか2プレーで追加点を奪い、9−0。こうなると流れは完全に松下電工へ。

 「今まで見たものより早くて強い」とオービックQB龍村も評した、松下電工フロント陣の猛烈なプレッシャーの前に、パスが投げられず、ランも出ないオービックだが、DLジャクソンが2度目のパントブロックを決め、敵陣37ヤードからのオフェンスというチャンスを掴む。

  そこからRB古谷のラン、WR清水へのパスなどでダウン更新し、敵陣12ヤードまで迫ったところで、RB古谷へ松下電工LB杉本が激しいファンブルフォース。フリーになったボールを松下電工DL山中が拾い上げ、エンドゾーンまで走り抜けTD。松下電工が16−0と点差をひろげて試合を折り返した。

 今シーズンのリーグ戦、プレーオフ6試合での合計失点が僅か17点、という松下電工が16点のリード。ここからの形勢逆転は難しいと思われた状況でも、オービックはポジティブに後半へ向けて準備をしていた。

WR水口 (C)Makoto SATO  「パスへのプレッシャーが強いので、ランを中心にプレーを絞ってオフェンスを組み立てる」(大橋ヘッド)という作戦が功を奏し、後半最初のシリーズでRB古谷のラン、WR水口へのパスなどで敵陣23ヤードまで迫り、K金親が42ヤードのFGを成功させ、3−16と反撃の狼煙をあげる。

 この日は大活躍でMVPを獲得したDLジャクソンが、今度はパントの体制に入ったP太田をタックル。敵陣3ヤードからのオフェンスとすると、RB松田がオープンフィールドを駆け抜けてTD。10−16と、オービックが6点差に詰め寄る。

 しかし、ここからは再び両チームのデイフェンスが踏ん張り、パントの応酬となったまま最終の4Qへと突入する。

  この状況を打破したのはオービック。RB白木、RB古谷のランで続けてロングゲインを奪うと、徐々に落ちつきを取り戻してきたQB龍村がプレッシャーを浴びながらも、プレーアクションパスをWR水口にヒットさせTDを奪う。ここでTFPのキックが外れ、約8分を残したところで、16−16の同点となる。

 流れを掴んだオービック。続くオフェンスでもRB古谷のランでゲインを重ね、敵陣27ヤードまで迫ると、最後はK金親がTFPの失敗を挽回するかのように、46ヤードのFGを成功させ、19−16。残り時間1分45秒で、オービックがついに逆転に成功する。

 松下電工は最後の2ミニッツオフェンスでQB高橋(公)が登場。最高の見せ場となったが、敵陣45ヤードまで攻め込んだところで、QBサックを浴びてファンブル。
 こぼれたボールをオービックLB中井が、エンドゾーンまで持ち込んでダメ押しのTD。前半にやられたことを全てやり返したオービックが勝利を掴んだ。

 試合後、大橋ヘッドコーチは「前半は集中しきれなかった。後半に点が取れたのはたまたまだが、自分たちのやりたいフットボールができて良かった」と振り返った。また、ライスボウルに関して「まだ全く準備をしていないが、今シーズンを全勝で終わりたい。関東のフットボールファンには楽しんでもらいたい」と、久々の関東対決に意欲を見せる。

 一方、松下電工の村上監督は「後半の守備力など、15分Qを選手が耐えきれず、選手層の違いを見せつけられた」と、後半の流れを振り返る。「特に3Qのオフェンスが全くダメだった。来季はもう少し点を取れるチームにします」と、出直しを誓った。