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FINAL6

解説記事

鹿島ディアーズ VS アサヒビールシルバースター
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
鹿島ディアーズ 0 0 0 14 14
アサヒビールシルバースター 0 3 0 3 6

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 接戦の末、鹿島が逆転勝ちを果たす 


2Q、攻撃陣にパスを出すアサヒビールQB#3有馬
 アサヒビールシルバースターと鹿島ディアーズは、96年Xリーグプレーオフ制度が出来てから過去3度対戦し、3度ともアサヒビールが僅差で勝利をものにしてきた。
  反対にリーグ戦での対戦では、3度鹿島がアサヒビールを打ち破り、ディビジョン優勝を果たしてきた。
  このことから、ここ一番の集中力ではアサヒビールが上回っているようにも思えるが、ここにきての実力は互角と見られる。間違いなく屈指の好勝負が期待される対戦であった。

  試合は、予想通り一進一退のディフェンス戦となった。両者オフェンスは敵陣ゴール前へ進むも、巧みなディフェンス陣の罠にはまり、ことごとく阻まれる。

  互いにTDが奪えず、前半のスコアはアサヒビールのK山口のFG1本に終わり、アサヒビールが3点リードのままで折り返した。
  後半も緊迫した試合展開となり、どちらもTDが奪えない。
  試合が動いたのは、4Qの3分が過ぎた頃。鹿島RB池場が足の高く上がった好走を連発し、これに触発されたのか、それまで全くいいところがなかったQB尾崎が自ら鼓舞した走りを見せるようになった。
  執拗に攻める鹿島は堅実なオフェンスを実らせ、ついにTDを奪い、7−3と逆転に成功する。

 逆転されたアサヒビールは、これまで好投のサウスポーQB有馬から、満を持してQB金岡を投入する。

3Q、アサヒビール#2花房が攻め込むも
相手ディフェンスに阻まれる

  さすがといわざるをえない持ち味のパス攻撃が始まる。
 レシーバ陣もWR黛、TE橋詰が見事なキャッチで自陣深くから、わずか3プレーで敵陣12ヤードまで進んだがここからの攻撃が進まず、K山口のFG3点にとどまってしまい、6−7と逆転には至らない。

4Q3分、鹿島#29池場が逆転のTD

  1点差に迫られた鹿島のオフェンス陣は、RB池場を中心にした落ち着いたランプレーのスタイルを崩さない。
  この走りに応えるオフェンスラインメンが、アサヒビールのディフェンスラインを押さえ、2本目のTDを奪うことに成功。14−6と差を広げる。

  この時点で残り3分46秒。あとがなくなったアサヒビールの攻撃は、引き続いてQBに金岡を投入する。
  しかし、鹿島ディフェンスは破られることなく、落ち着いた堅実なプレーを続ける。

  QB金岡のパス攻撃は、鹿島のディフェンスに阻まれ3投とも失敗。4thダウン最後の望みをかけたパスを投じたが、これもディフェンスの執拗なマークに阻まれてしまい、2分45秒を残して、アサヒビールは自陣31ヤードで鹿島に攻撃権を渡してしまう。

  残された時間、鹿島はこの試合でもっとも信頼のおけるRB池場にまかせた。

 

  1999年の日本社会人選手権(当時は東京スーパーボウル)で、アサヒビールは、鹿島に対して残り1分45秒の時点で、RB池場から奪ったボールをQB金岡マジックにより、史上まれにみる劇的逆転を実現させて勝利したことがある。

  当然アサヒビールはこの再現を目指し、鹿島には一瞬の悪夢がよぎったかも知れない。

  しかし、ミラクルは起きなかった。鹿島オフェンスは着実に時間をコントロールし、陣地をアサヒビールのゴール前へ進め、最後はダメ押しのFGは外したものの、鹿島はアサヒビールをFG2本に押さえ切り、決勝トーナメントを勝ち上がった。


4Q10分、鹿島#10尾崎が飛び込みTD


  この結果、鹿島は12月2日、長居球技場での松下電工インパルスとの準決勝に臨むことになった。



【写真撮影:エムアイプランニング