やはり東京ドームでのこのマッチアップはリーグ戦を盛り上げる。勝利を収めた選手達が感涙にむせぶ。
10月4日、EASTディビジョン序盤戦の大一番。オンワードオークスと富士通フロンティアーズ。注目の一戦は、4つのインターセプトと2つのQBサック、看板のディフェンスが本領を発揮した富士通が、14−7で優勝候補筆頭のオンワードを下した。
富士通は、91年以来の開幕2連勝で、勝ち点を4とした。
富士通のカートローズヘッドコーチが「今日は気合いで勝った」と興奮気味に言うように、この日の富士通の気迫はハンパではなかった。
前節のレナウン戦での思わぬ苦戦。さらに主戦QB中澤を怪我で失った事で、この2週間の練習でチームがひとつになったという。その一体感の結晶が先制のTDを生んだのだ。
最初のシリーズで、自陣30ヤードから攻撃権を得た富士通は、エースRB森本が5回連続のキャリーで瞬く間にゴール前まで進むと、とどめは俊足WR小島が、リバースからスピードでオンワードディフェンスを振りきり、10ヤード先制TDラン。キックも決まり7−0とする。
先制を許したオンワードは、先発QB須永が大ブレーキ。富士通CB宮崎、FS三上に、それぞれインターセプトを献上、パスが全く不発。
さらにDL岡、芳澤がフロントを支配し、LB時本がRB杉澤を完封するという序盤の展開に、前半のダウン更新がわずか3回。富士通ディフェンスに完全制圧される。
一方、先制点をあげた富士通も、RB森本のゾーンプレーを軸にゲインを奪うものの、追加点をあげられないまま前半を終了する。
後半開始早々、富士通は自陣45ヤードからと絶好のフィールドポジション。RB森本、飯嶋のランでオンワード陣内へ攻め込むが、4thダウンギャンブルを失敗。なかなかオンワードを突き放すことが出来ない。
オンワードも、すかいらーく戦で面白いようにゲインを奪ったRB杉澤のランプレーが全く機能せず、苦し紛れに放ったパスも、再び富士通FS三上にインターセプトされるなど、相変わらず攻略の糸口が見当たらない。
お互いに拙攻が続いた第4Q残り8分、富士通が待望の追加点をあげる。
DL下村のQBサックから攻撃権を得ると、RB飯嶋が好ゲインでお膳立て。そして最後はやはりこの人、エースRB森本がゾーンプレーから外へ流れると、CB吉岡を華麗なカットでかわしてインサイドに切れこみ、そのまま35ヤードを独走。14−0と遂にオンワードを突き放した。
あとがないオンワードも、QB富澤からWR神、斎藤、河本と5連続パス成功から、RB杉澤のランでようやく1TDを返すが、試合残り時間1分20秒から得た最後のドライブも、CB宮崎がこの日2つ目のインターセプトを奪い、万事休す。
富士通は、実に93年以来7年ぶりのオンワード戦勝利となった。
2日前。同じ東京ドームで日産プリンス東京が鹿島を破り、CENTRALの優勝争いは混沌としてき
たが、EASTも同様に混戦の様相を呈してきた。
ますます、リーグ戦の動向から目が離せなくなってきた。
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