日産対ハスキーズの試合途中から雨が本格的に降りだした悪コンディションの中、まだ白星の無いLIONSとレナウンローバーズが初勝利を賭けて激突した。
最初にチャンスをつかんだのはLIONS。レナウンが自陣奥深くからのパントのとき、CのスナップがP首藤の頭を越えてしまう。ボールを拾った首藤はそれでもパントを蹴るが自陣19ヤードでサイドラインを割ってしまう。
この好機にLIONSは3プレイ目にRB西澤がタックルを振り切ってTD。TFPは失敗したが6−0と先制した。
開幕戦でオンワードスカイラークスを苦しめた強力ディフェンスはこの日も絶好調。レナウンはランプレーを完璧に止められ、QB八木のパスも雨に災いされて不発で自陣を脱することが出来ない。
苦しい状態で迎えた2Q序盤、レナウンに再び手痛いミスが出る。パントのスナップが乱れてP首藤はパントを蹴れずにセイフティの2点を献上してしまう。
これで試合の主導権を握ったLIONSは、フリーキック後のオフェンスシリーズを、RB西澤のランで大きくボールを進めると、QB木目田がエンドゾーンに走るWR千葉に上手く浮かせたパスを投げてTD。14−0とリードを広げた。
攻撃の手を緩めないLIONSは、前半終了間際にもRB西澤のロングランでチャンスを作り、最後はRB横倉が“人間の山”を飛び越えてTDを挙げた。
後半、反撃に転じたいレナウンだが、LIONSの堅い守りに阻まれて自陣すら脱することが出来ない。
LIONSも、4thダウンギャンブルに失敗して詰めの甘さを感じさせる場面もあったが、4Q早々に木目田がWR大西(純)にロングパスを決めて28−0と引き離した。
結局、その後もディフェンスが安定したプレイを見せたLIONSが、レナウンをシャットアウトして今季初勝利をマークした。
LIOSの大村ヘッドコーチは「今日は全然だめです。相手のミスに助けられたかたちです。交代ミスでタイムアウトを取るはめになったり、FGが入らないなどしょうもないミスが多かった。(逆に言えば)この試合でそういうミスが出て良かった。収穫はRB西澤が充分に通用することが分かったこと。(レナウンの)QB八木君のパスを警戒していたが雨で本来の力を八木君が出せなかったことは幸運だった。ディフェンスはまとまっているし、ある程度安心して見ていられた」と、冷静に戦況を分析していた。
2敗目となったレナウンの柏木ヘッドコーチは「LIONSは合併した東京三菱銀行と東京海上の良いところを上手くまとめてきていた。こちらは挑戦者としてやるべきことができなかった。体力面のアップを春から取り組んでいますが、Xリーグの壁の厚さを痛感しています。オフェンスはランプレーに自信を持っていたのですが上手くいかなかった。ディフェンスは要所で1発TDを許してやられてしまった。Xリーグに残るために死ぬ気で出直します」と再起を誓っていた。
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