【FINAL STAGE】パナソニック-ノジマ相模原 試合レポート
’15.11.30
開始速攻で快勝。パナソニックが5年ぶり14回目の決勝進出。
日本社会人選手権ジャパンエックスボウルの出場権をかけたファイナルステージ。西日本会場のキンチョウスタジアムでは、5年ぶりの決勝進出を目指すパナソニックインパルスと、悲願の初出場に燃えるノジマ相模原ライズが対戦。セカンドステージの再戦となった。
立ち上がりパナソニックの速攻が決まる。
大事な一戦を迎え、今季主戦となって活躍したRB#24デュプリーが負傷欠場。そんなチームの不安をRB#33横田が払拭する。
ノジマ相模原の最初の攻撃を抑えたパナソニック、自陣46ヤードからの第1プレー。先発QB#8高田からのハンドオフを受けたRB横田がそのまま独走。54ヤードを走りきって、僅かワンプレーで先制TDを奪ってしまう。
続くノジマ相模原の攻撃もパントに抑えたパナソニック。自陣19ヤードからQB高田のラン、QB高田からWR#15頓花へのパスで敵陣へと進入。ここからRB#25須賀、横田のランでゴール前30ヤードとすると、今度はQB高田がWR#89小山へTDパスを決め、パナソニックが追加点を挙げる。
これで完全にペースを掴んだパナソニック。次の自陣8ヤードからの攻撃では、RB横田が3連続キャリーでダウンを更新すると、再びRB横田が73ヤードを独走してTDラン。突き放しにかかる。
QB#14アンダーソンの脚力を活かしたキープを軸に攻撃の組み立てを図るノジマ相模原。しかしパナソニックディフェンス陣の早い出足に阻まれ、思うように進まない。そこで、1Q終盤からQB#5木下を交代出場させる。
しかしこれが裏目に出る。QB木下の2プレー目。自陣16ヤード付近から投じたパスをパナソニックのDB#23中村がインターセプト。DB中村はそのままエンドゾーンまでリターンしてTDを奪う。
さらにノジマ相模原の自陣15ヤードからの攻撃でも、QB木下の投じたパスをパナソニックのDB#32鷲野がインターセプト。パナソニックが敵陣40ヤードからの攻撃権を得る。
パナソニックもここからQB#18大原にスイッチ。QB大原はWR頓花へのパスや自らのランで落ち着いてオフェンスをドライブ。
ゴール前に詰め寄ると、最後はRB#34橋本が押しこみTD。TFPキックも成功、この時点で35-0。試合の趨勢を2Q早々に決めてしまう。
数々の接戦を制し、ファイナルに駒を進めたノジマ相模原は粘り強いチーム。「もう少し早い時間帯にオフェンスで1本、2本取りたかった」とノジマ相模原の須永ヘッドコーチ。ここからQBをアンダーソンに戻して、タイミングの早いロングパスを中心に攻勢をかける。
自陣40ヤード付近からQBアンダーソンからWR#7井本への45ヤードパスで敵陣に入ると、WR#88大滝へのTDパスを一発で決めて反撃開始。
さらに自陣20ヤードからのオフェンスでは、WR#8出澤、#81井上へのパス成功で敵陣21ヤードまで攻め込むと、QBアンダーソンのランでゴール前5ヤード。
ここからはパナソニックディフェンス陣の踏ん張りでTDには至らなかったものの、K#29望月の24ヤードFG成功で、10-35と追いすがる。
パナソニックは、前半残り時間0秒でK#11佐伯(栄)が31ヤードのFGを成功させ、38-10で前半を折り返す。
後半戦の流れを決める最初のプレー。パナソニックはキックオフのボールをKR#10ポリーが63ヤードのビッグリターン。敵陣20ヤードからの攻撃となる。
ここからQB大原は落ち着いてボールをコントロール。TE#2岸本へ19ヤードのTDパスを決めて、45-10とダメ押し。
ノジマ相模原も、3Q終了間際にQBアンダーソンから、WR大滝へ51ヤードのTDパスを決めて追いすがるが反撃もここまで。
結局、ファイナルスコア45-17の快勝で、パナソニックが5年ぶり14回目の決勝進出を決めた。
「ここに来て横田の調子があがってきた。OLが良い仕事をしてくれたので結果に繋がったと思う」とパナソニックの荒木監督。
5年ぶりに掴んだ決勝進出、「いろいろとやってきて、やっと出られた。幹部のメンバーが素直に思いを口にして、夏ぐらいからチーム全体の雰囲気が良くなってきた」と話す。
決勝の相手は強敵の富士通。「頭一つ抜けた存在だと思う。前回の対戦でもボロクソにやられているので勝たないと意味がない」と、最後の戦いに決意を固める。
ノジマ相模原の須永ヘッドコーチは「準備したプラン通りに進めて、ディフェンスは出されてオフェンスが出なかった。相手の総合力が上回っていた」と、立ち上がりの展開を振り返る。
「まだまだ発展途上のチームだが、ステップアップしていくイメージはある。東松(RB#25)のキャプテンシーで選手、スタッフをよくまとめてくれている。あとは環境面を整えるのが自分の仕事」と、タフになりそうな来シーズンに備え、力強く言葉を結んだ。