第65回神戸ボウル エレコム神戸-関学大 試合レポート
’15.06.09
関学大が地力の差を見せつけて圧勝
2015年6月7日(日)、神戸市王子スタジアムで開催された第65回神戸ボウルは、前年度XリーグWEST1位のエレコム神戸ファイニーズと、昨年の甲子園ボウル覇者、関西学院大学ファイターズの顔合わせ。学生、社会人の強豪同士、互いに春の総決算を意識したゲームとなる。
試合の立ち上がり関学大の攻撃を、2度の3アンドアウトに抑え、パントブロックから一気に陣地を進めたエレコム神戸QB#11糟谷のオフェンス。
ゴール前9ヤードから、この日はRBとして積極的にボールキャリーに起用される#6フナキのランは届かず、3rdダウンからのパスも失敗、最後はK#29篠崎が29ヤードFGトライを成功させ、エレコム神戸が先制する。
しかし「立ち上がりで上手くペースを掴みかけたのだが」と、エレコム神戸の狩野ヘッドコーチが描いたゲームプランはここで終了。「相手は明らかにコンディショニング不足。1Qで息があがっていた」と、関学大のコーチ陣が云うように、ここから試合は学生王者の独壇場となる。
その関学大。KR#10田中の好リターンで始まった自陣42ヤードからのオフェンス。RB#33野々垣、#24池永ら3年生RB。WR#11前田、#22中西といった2年生WRというフレッシュなメンバーを駆使しながら、QB#6伊豆が丁寧にオフェンスをドライブ。Qタイムを挟んでゴール前7ヤードから、1年生の新人RB#22山口が俊足を飛ばしてTD。関学大があっさりと逆転する。
続くエレコム神戸は、自陣36ヤードからのオフェンスで、ピッチしたボールがこぼれてファンブルロスト。関学大にゴール前31ヤードからのチャンスを献上する。関学大は反則などもあってTDには至らなかったものの、K#1西岡が47ヤードのFGを決めて、追加点を奪う。
反撃に出るエレコム神戸。自陣25ヤードからQB糟谷がWR#16和田、#82南本らにパスを通し敵陣へと進撃するが、関学大DB#3小掠にパスインターセプトを奪われてしまう。
ターンオーバーから攻撃権を得た関学大は、この日のMVPを獲得したRB野々垣のランを軸に、自陣12ヤードから今度は地上戦でロングドライブ。最後はパスを受けたRB野々垣がタックルを上手くかわしてTD。17-3とリードをさらに広げ、前半を折り返す。
後半はエレコム神戸のオフェンスから始まる。自陣15ヤードからTE#95松島へのパスでダウン更新するが、関学大DL#52松本にQB糟谷が激しく押しこまれ大きく後退。結局パントに終わり、関学は敵陣39ヤードからと有利なポジションからの攻撃となる。
ここでQB伊豆からWR#15中西に一発TDパスが一閃。追加点を奪い、反撃に出るエレコム神戸の出鼻を挫く。
なんとか巻き返しを図りたいエレコム神戸。QB糟谷からWR#84常包への連続パス成功で敵陣へと進むが、ここでも関学大LB#34高にパスインターセプトを奪われ攻守交替となる。
このチャンスに関学大はWR中西へのロングパスを成功させ、ゴール前6ヤードとすると、WR#88亀山へのTDパスを決めてダメ押し点。31-3とゲームはほぼ決着する。
その後は両チームとも控えのメンバーが交代出場しての展開となる。関学大は4Qにも2本のTDを加えて、45-3。3年ぶり4度目の神戸ボウル勝利を圧勝で飾った。
毎年頂点を目指す関学大。今年も最終目標は、打倒・社会人であることは揺るがない。「(例年に比べ)3年、4年が呑気すぎる、この時期だからとイージーミスが出てくる。普段の練習から甘い」と、関学大の鳥内監督。要所に主力を欠く陣容ながら圧勝となった結果には「メンバーが揃うかどうかは秋も判らない。そういう中で出たメンバーだけでどうやってちゃんとやるか。前半は好守とも余裕のないプレーが多かった。もっと点を獲らなアカン」と、まだまだ不満のようだ。
想定以上の惨敗に危機感をあらわにするエレコム神戸。春とはいえ学生王者に地力の差を見せつけられた格好だ。「パナソニック戦後から組織改革して、若いメンバーを中心に体制作りをしている途中。まだまだチームとしてまとまっていない」と、エレコム神戸の狩野ヘッドコーチ。出来て当たり前のことが出来ていない。要所でタックルミスやパスの捕球ミスなど出ていては、やはり関学大には歯が立たない。「身体もまだまだ出来ていない。いい選手も入ってきているが、取り組みが甘いのはあきらか。まず出直し」と、立て直しを誓う。
<Photo by Takeshi Yamaoka >