「相手に点を与えないで勝つ」。 松下電工インパルスの快進撃を支える一番の要因だ。ランプレーはDLとLBが、パスプレーはDBのカバーとDLのラッシュで止める。その基本的なスタイルを崩すことなくリーグ戦、そしてFINAL6準決勝を戦い抜いてきた。 そして迎えたジャパンXボウル。3年ぶりの決勝進出、しかも関西地区・神戸での初開催、そして創部30周年の節目の年でもある松下電工にとって、負けることは絶対に許されない。 この大切な試合に負けないためにも、失点しないディフェンスを中心にゲームを組み立てていくことになるだろう。 |
数字をあげれば1試合平均4.3失点、ランディフェンスは特に強烈で、1試合平均19ヤードしか進まれていない。 準決勝のオービックシーガルズ戦でも、前半終了間際まで相手に1stダウンすら奪わせず、戦意さえ喪失させるほどの完璧なディフェンスを見せた。 DLでいえば年々動きが強烈になりつつあるベテランDL脇坂を筆頭に、このDL脇坂が目立ちすぎて目立たないDL三輪や梶本、角田、またDLとLB、さらにはオフェンスもそつなくこなすDL山中らが、ランのほとんどを止めてしまう。 逆サイドのランプレーに追いついてファンブルを誘発したり、QBがRBにハンドオフする前にタックルしてプレーを潰してしまうなど、観客を驚かすプレーの数々を見せてくれる。 当然のことながらLB東、杉本の抑えも効いている。強力なDL陣を確実にブロックするためOL陣が手を取られてしまうと、フリーになったLBがランナーの前に立ちふさがる。ようやく第1線を抜けることができても、ダウン更新までかなりの距離を残してしまうのだ。 一方パスで窮地を乗り切ろうとしてもベテランDB野村らが、状況をよく理解したパスカバーを実践しており、相手オフェンスにリズムを作らせない。 アサヒビールの深堀ヘッドコーチが「やたらディフェンスが強いチーム」と、ロースコアのゲームを想定するほど、おそらくXリーグ最強のディフェンスではないだろうか。 |
そしてオフェンス。RB粳田、樫野、小林、石野らRB陣は誰が持って走っても、OL陣のブロックとのタイミングが良く心配なし。 課題は、やはりパッシングユニット。QB高橋(幸)、高橋(公)の“ダブル”高橋、WR塚崎、下川、丸山、野口らに、さらなる得点アップのための活躍が期待される。 村上監督も期待する選手は、という問いに対し「今季コンディショニングがうまくいかなかったWR陣」と答えている。 そして松下電工のもう一つの特徴がK/P太田の存在だ。FGの安定性はもちろんのこと、パントキックのコントロールが抜群で、パントキックでチームの窮地を救ってきた。 予想に違わず息詰まる接戦となったジャパンXボウル。 試合巧者・アサヒビールシルバースターのオフェンスを強力ディフェンスが封じ込め、K太田の活躍で小刻みに得点を重ね、9年ぶり4度目の優勝を果たした松下電工。 つぎはいよいよXリーグのリベンジを賭けたライスボウル、日本一への挑戦だ。 |
FINISH RESULT 2004 | ||||
9月12日 | ○ | 45− 0 | vs 内外電機マーヴィーズ | |
9月26日 | ○ | 68− 0 | vs 阪急ブルーインズ | |
10月 9日 | ○ | 23− 0 | vs ファイニーズフットボールクラブ | |
10月23日 | ○ | 38− 0 | vs アズワンブラックイーグルス | |
11月 6日 | ○ | 20−19 | vs アサヒ飲料チャレンジャーズ | |
FINAL6 | 12月 5日 | ○ | 10−7 | vs オービックシーガルズ |
JXB | 12月18日 | ○ | 15−6 | vs アサヒビールシルバースター |
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